特定非営利活動法人 美しい村小川・絆のネットワーク

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フィールドワーク

フィールドに学ぶ山村社会

フィールドに学ぶ山村社会

【2013年 8月19日(月)〜23日(金)】

和光大学・共通教養新科目 「フィールドで学ぶ山村社会」プログラム

水曜日5時限 16:20~17:50 教室:E303
開講期:前期+フィールドワーク 単位数:4単位

 

この授業では、山村社会の現状と未来を考える。事例研究として長野県小川村を取り上げる。
この村は日本で最も美しい 村の1つとされ、「日本の里100選」にも選出された。伝統的な村落共同体も息づいている。その穏やかな暮らしや美しい自然が多くの人を魅了する。ただし、小川村の高齢化率は40%を超えるなど、日本の山村社会が抱える典型的な問題にも直面している。小川村の「観察」を通じて、自然と共生する山村社会の持つ魅力を向上させるなど、その持続可能性を高めていく方策について考えていく。

 

この授業は、前期14回の座学と夏休み期間中の(小川村での)フィールドワーク(9月中旬を予定)が一組となっている。受講者には、14回の授業で長野県小川村の基本的情報はもちろん、村内の自然環境や人口動態、歴史、産業等について幅広く学んでもらう。小川村からのゲストスピーカーも招く予定である。座学で学んだことを小川村でのフィールドワークに生かしてもらいたい。実際の小川村のフィールドワークでは、村を流れる土尻川及び支流の地域調査研究(地質学など)や土尻川流域の化石調査研究(化石採集など)、さらには、土尻川流域の薬草の調査研究(植物、薬草、薬膳料理)なども可能である。各自が興味関心を持つ異なったテーマで調査研究を行うこともできる。なお、授業運営は複数の教員が協力して行うオムニバス形式である。

 

前期の授業に出席した上で、8月後半に4泊5日で行われる長野県小川村のフィールドワークに参加してもらう。成績は出席(30%)、実習(60%)及び最終レポート(10%)の総合判断で評価する。
教科書は特になし。必要に応じて資料を配布する。

 

■前期の授業

日付 担当教員 テーマ
4/10 全員 オリエンテーション
4/17 バンバン・ルディアント 地球と環境科学について
4/24 バンバン・ルディアント 地理学とその関連の情報について
5/1 堂前雅史 自然地形と生態系:小川村の自然についての調査を課題とする
5/8 堂前雅史 小川村の自然についての発表
5/15 岩本陽児 フィールドワークとは何か
5/22 岩本陽児 小川村の特定テーマによる事前学習
5/29 加藤巌 少子高齢化が進む日本の人口動態
6/5 加藤巌 地域社会で高齢者がいきいきと働く
6/12 小関和弘 小川村の民話から考える
6/19 鈴木岩行
6/26 ロバート・リケット
7/3
7/10 村越光憲 小川村の現状と課題
7/17 バンバン・ルディアント

フィールドに向けての準備

 

■フィールドで学ぶ日程
引率者:
8/19(月) 8:30 WBT 新宿西口集合 高速バス

arex209 9:15 出発

長野駅13:25 着、小川村へ、小川村のオリエンテーション(泊)片道 2,500円

8/20(火)コース別に地域体験学習(1日目)
8/21(水)コース別に地域体験学習(2日目)
8/22(木)コース別に地域体験学習(3日目)
8/23(金)コース別に地域体験学習(4日目) 15:00 長野駅出発

 

*8/19 日と8/22 日の夕食は、バーべキュー等を囲みながら、地域の人との交流をする計画を学生の発案により実行できるようにする。
*8/20 の昼食は、縄文おやき村で「おやき」つくりの体験学習を全員で実施し、「西山地方」の食文化に触れる。
*8/20の午後は、小川村巡りを実施し、その後、宿泊施設で詳しいオリエンテーションを行う
*8/20~8/22は、コース別にグループに分かれて学習・体験活動等に取り組む(別記提案参照)
*学生の興味・関心を惹くようなキャッチフレーズをつくる必要がある。

 

■コース別に地域体験学習について
・一つの課題にこだわらず、広く土尻川(7つの支流も含む)流域の動植物、文化等を知り、自ら調査・研究し、課題をまとめる。
・課題をあらかじめ設置し、1日ごとのローテーションで学生が調査・研究が可能になるようにする。

 

■小川村を知る参考として:土尻川の源流と流域を学ぶ
・土尻川に7 つの支流が流れ込んでいるので、その源流を探れる。それぞれの源流を探索できるが、現地で生活している人は、源流にあまり行かないのが現状である。
・薬師沢の源流は、山の頂上付近から湧き出ている。この川には、イモリが生息している。大雨がふっても川は濁らないので、水道の水源にもなっている。また、蛍の生息に適した環境にあり、蛍の復活を目指している(数年にわたる計画となっている)。こうした地域密着型の調査をすると面白そうな研究ができると思われる。それには地域の人との交流を図りながら取り組む必要性がある。
・他の支流の水系も調査・研究の対象となり、それぞれ独自の文化・生活を持っていると思われる。まだだれもこの視点で調査や研究をしていない。支流によってどんな文化の違いがあるかを探ることもできる。
・小川川・瀬戸川の支流を探ると、桐山地区までさかのぼり、桐山独特の文化が根付いている。昔は数万にも参加した諏訪神社に負けない山落としの御柱があった。諏訪神社の山落としどころではない、危険そのものでもある。その場所を見るだけでも価値はある。
・小根山地区には、御柱を曳くお祭りがあり、7年に一度の大祭が行われる。練習にお祭りでまとまる地区でもある。北信随一の規模を誇っている。3万人以上の参加がある。

概要とねらい

加藤 巌

 

和光大学では、学生が幅広い教養を学べるように「共通教養」と呼ぶ科目群を設けている。これには自然科学から社会科学にいたる多くの科目が含まれている。学生には専攻に関わらず、1 年次から4 年次まで継続的に受講するよう勧めている。「フィールドで学ぶ山村社会」も「共通教養」科目の一つである。専攻の異なる1~4 年生が受講している。その中身は講義(15回)と長野県小川村でのフィールドワーク(5日間)が
セットとなっている。

 

講義は、複数教員(7名程度)によるオムニバス形式である。担当教員の専門分野は生命科学、教育学、人類学、日本文化研究、地理情報システム、経営学などである。多彩な教員が、それぞれの視点で山村社会について語っている。小川村からゲストスピーカーも招き、現地調査に関する示唆を受けている。

 

小川村のフィールドワークでは、受講者各自が関心を持つテーマで調査を行うよう推奨している。彼らの興味は河川流域の調査や生物調査、化石調査(化石採集など)、さらには薬草の調査、人口動態、高齢者と若者の意識調査などに広がっている。

 

上記のような一連の授業のねらいは、受講者が様々な切り口で山村社会の現状を学び、その将来を考えることである。とくに小川村での「観察」を通じて、山村社会の持続可能性を探ることである。また、「教室」と「現地」の双方を有機的に体験することから、受講者が身近な課題を解決するための方法を体得すること
もねらいとしている。

フィールド概要

小関 和弘

8/19

長野駅に集合、高府から私たちがレンタルするマイクロバスを回送しつつ出迎えた村越さんと合流。途中のスーパーで食材や日用雑貨を購入、小川村へ。宿泊拠点の「味大豆地すべり観測センター」へ入る。

 

8/20

研究課題毎のグループに分かれ、「草木染め&薬草研究グループ」は草木染花工房「摩弥」へ、「土尻川の魚類調査グループ」は小学校近くの土尻川の予備的調査、「過疎化と青年の意識調査グループ」は保健センターへ向かい、それぞれの活動に取り組む。その間、教員は公民館で館長にお目に掛かり、小川村と和光大学の
協力の可能性などについて懇談。

夕刻、宿舎に戻り、追手門学院大学の古平先生から地域振興に関するレクチャーを受ける。夕闇が降りる中、古屋源吾さん経営の「そば処友楽」へ伺い、おやき作りを体験。各自、作ったおやきを食べる。

 

8/21

教員「前半組」と「後半組」が交替。
薬師沢砂防組合惣代の古林徳文さんのご案内で約2時間かけて石張水路工を見学。薬草研究グループは、その間に植物採集。他の学生は昆虫の採集など。夕刻、古屋さんの「友楽」にて蕎麦打ち体験。自分達の打った蕎麦を食す。

 

8/22

午前、高山寺に伺い、本堂拝観の後、ご住職筆の蛙の絵とその描画の実演を拝見。午後はグループ毎に調査や聞き取りを実施(土尻川、村役場、図書館など)。「ふるさとらんど小川」を見学の後、塩沢薬草加工所に伺い、採草から加工の過程や村興しについて教えて頂く。

夕刻から宿舎にて、学生の研究成果の発表会。古林さん、古平さん、村越さん、草木染め工房の山中さんがご参加くださった。

 

8/23

雨の降る中、宿舎を出て高府経由JR 長野駅へ。学生たちは、お土産を買う間も取れずに直通バスに飛び乗り帰京した。

目で追う記録:『フィールドに学ぶ山村社会』

0304

和光大学フィールドワーク、今後に向けて

岩本 陽児

 

オムニバス授業として「フィールドで学ぶ山村社会」を開講し、2年を経過した。学生数は順調に増えたが、課題も少なくない。下記して改善を図りたい。

 

1.授業の構造について
前期授業を通じて学生は日本の山村の共通課題および小川村それ自体について理解を深め、自ら課題を設定して夏季フィールドワークでの調査・検証結果をレポートにまとめて単位認定を受ける、前期+フィールドワークで4単位の制度設計であった。

前期オムニバス授業について、問題の第一点が、オムニバス授業にありがちなことだが、学生と、週替わりで学期に1、2回の授業を行う教員との関係が希薄で、お互い顔と名前を一致させることが難しいこと。これは信頼感や、ひいては教育指導力にもかかわる問題と思われた。

第二は、教育内容にかかわり、教員側とくにフィールド引率教員が、前期の授業内容の全貌を有機的に把握していないことである。

 

2.フィールドワークについて

まず、引率教員が個々の学生の調査テーマについて事前に了解していなかった反省がある。
次に、フィールドワーク期間中の、たとえば時間管理もふくめた学生指導に、教員がどの程度関与してよいのかどうかの合意がなかった点には改善の余地がある。合宿や共同炊さん自体初体験でそれだけで十分に興奮している学生に、どう学びを自覚させるかの問題でもある。

第三に、高速バスチケットの手配や集金、マイクロバスの運転を教員が行ったことについて、これが学生が主体的に学ぶ意識を育てることにどうだったかの検討は必要であろう。マイクロバス使用を前提としたため、受講学生数に上限がかかり、運転できる特定教員に負担が行った。第四に、今回フィールドワークの期間中、就職活動のために4 年次学生で一時帰京が必要となったケースがあった。3年次学生でも同様の事例が現れかねず、今後の課題と言える。

 

3.学生の最終レポートの扱いについて

これにとくに問題を感じたのが2013年であった。前期科目のため、前期末には成績をつけて出さなくてはならない。学生にとっては、後期はじめに単位が確認できたこの授業のレポートを、秋までかけて手直しさせることには構造的なむずかしさがあった。

 

 

和光大学 共通教養科目:フィールドで学ぶ山村社会(通年4 単位)水曜5限

 

授業テーマ
<旧>
この授業では、山村社会の現状と未来を考える。事例研究として長野県小川村を取り上げる。
予定しているのは長野県小川村である。この村は日本で最も美しい 村の1つとされ、「日本の里100選」にも選出された。伝統的な村落共同体も息づいている。その穏やかな暮らしや美しい自然が多くの人を魅了するのだが、小川村の高齢化率は40%を超えるなど、日本の山村社会が抱える典型的な問題にも直面している。

小川村の「観察」を通じて、自然と共生する山村社会の持つ魅力を向上させるなど、その持続可能性を高めていく方策について考えていく。

 

<新>
この授業は、信州(長野県)小川村とのコラボレーションにより、和光大学が開講する政策提言型の実践的科目である。雪を頂くアルプスを背景にした小川村は、「日本の里百選」のひとつに選ばれたほど風光明媚な土地で、自然・歴史も豊かで興味深い。しかし、近年は人口が減少し、高齢化率も40%を超えるなど、日本の中山間地共通の課題にも直面している。フィールドワークによる調査活動を通じて地域に暮らす人々の生活感情を実地に聞き出し、学生ならではのオリジナルな視点と感受性に基づいてこの村の潜在的な魅力を明らかにし、その魅力や可能性を小川村が発信するための具体的な方策をレポートにまとめて村の皆さんに
提言することが、この授業の最終目標である。

 

授業計画
<旧>
この授業は、前期14回の教室での授業と夏休み期間中の(小川村での)フィールドワークが一組となっている。受講者には、14回の授業で長野県 小川村の基本的情報はもちろん、村内の自然環境や人口動態、歴史、産業等について幅広く学んでもらう。小川村からのゲストスピーカーも招く予定である。教室で学んだこ
とを小川村でのフィールドワークに生かしてもらいたい。実際の小川村のフィールドワークでは、村を流れる土尻川及び支流の地域調査研究(地質学など)や土尻川流域の化石調査研究(化石採集など)、さらには土尻川流域の薬草の調査研究(植物、薬草、薬膳料理)なども可能 である。各自が興味関心を持つ異なったテーマで調査研究を行うこともできる。なお、授業運営は複数の教員が協力して行う。複数教員によるオムニバス形式である。

 

<新>
通年4単位の授業だが、8月の5日間の現地フィールドワークへの参加を単位認定の条件としている。前期には、オプションで1泊程度の現地予備調査(下見)を行うほか、本学複数教員がオムニバス形式の授業を開講し、小川村自体や、小川村の状況を理解するための知識事項、およびフィールドワークのスキルについて
幅広く学ぶ。小川村からの招聘講師(ゲストスピーカー)の話も伺う。これらを通じて、学生諸君は夏のフィールドワークにおける課題(テーマ)を各自で、またはグループで設定する。
8月に現地で5日間のフィールドワークを行い、関係者を前にプレゼンテーションを行ったり、新聞記者の取材を受けたりする。後期にはその成果を報告書にまとめる。
この授業を受講することで、学生には時間管理能力、構想・企画力、コミュニケーション力、インタビュー、スケッチ、写真撮影などのスキル、パワーポイントなどを使ったプレゼンテーション力の向上が期待される。

 

履修条件など
許可科目なので注意されたい。前期第一週の授業時に、イニシャルレポート(様式自由)を持参することを受講の要件とする。レポートの内容は、小川村自体に関するもの、または日本の中山間地が抱える問題状況など、受講生の現在の関心に応じたものとし、これをお互いに紹介・共有するところからはじめて、一年に及ぶ知的な探求に入りたい。意欲的な受講を期待する。

その他
学生が提出した最終レポートは、編集作業を経て小川村にて刊行されることをあらかじめ了承いただきたい。採用の場合、交通費、宿泊費相当分の助成が受けられる可能性がある。
昨年までの「フィールドで学ぶ山村社会」との変更点も少なくない。重複受講可能なので、リピーターの参加も歓迎する。

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